カメラを止めるな!が面白くないとか言ってるやつマジ?【ネタバレ感想】

カメラを止めるな!サムネ映画

どーも、好奇心の塊とまほーく(@tomahawkch)です!

今更ですが、「カメラを止めるな!」を見ました。

評価が分かれるとは聞いていたので、かなり期待しながら視聴したのですが、これがホントにもうめちゃくちゃ面白い!!!

いまAMAZONプライムで無料になってましたんで、気になる人は是非チェックしてみてください。

というか、まだ見てない人には是非ネタバレなしで見て欲しい。

これより先は私の感想ですが、ネタバレあるのでまだ見ていない人はくれぐれもご注意ください!

とまほーく
とまほーく

これを面白くないとか言ってるやつマジ??

まずワンカットの37分が凄い

映画冒頭から37分ワンカットで度肝を抜かれました。

とんでもねー作品だな、と。

ワンカットというのは、カメラをずっと回しっぱなしでシーンを切ることのない手法ですが、つまり誰かがNGしたらまた最初から30分以上撮り直しなわけです。

ゲームで言ったらRTA(リアルタイムアタック)のような。
最速を目指すため、一回ミスしたらまた最初から全部やり直し、みたいな凄さと緊張感があるのです(伝われ~)

それを、これだけ役者や場面に動きを持たせながら30分以上やるって!

無茶苦茶やん!!!この映画無茶苦茶やん!!!

この時点で、「この作品はヤバイ」と確信しました。

前編、中編、後編でのストーリー展開

そして、本当に凄いのは、そのワンカットシーンの素晴らしさを後から肉付けしていく、何度も見たくなる程の見事なストーリー構成なんですよね。

実際にすぐに2回目、3回目を見てしまいました

先程書いたワンカットシーンの難易度がとんでもなく高いのは見ていれば何となく分かるんですが、その中でも、明らかに”妙なところ”があるんですよね。素人でも感じる違和感。

そのところどころに挟まりまくる数多くの”違和感”を、見事に後半で回収してしまう凄さ。

約1時間30分の映画の中で、前編・中編・後編でここまで顔を変えるのか、と。

二重構造の驚き

私の中では、ストーリー展開が3つに分かれていると思っていて、

  1. ワンカットシーンも含むホラーの前編
  2. 家族関係や登場人物のドラマを描いた中編
  3. 今までの伏線を回収するドタバタコメディの後編

その中で何に感動しているかと言うと、

前編での違和感を中編で回収したかと思いきや、実は後編で更に回収するという二重の驚きがあったことなのです。

二重どころか三重構造の驚き

すみません。二重の驚きは嘘です。本当は三重の驚きでした。

というのも、映画の内容だけ見ると、

劇中の番組「ONE CUT OF THE DEAD」(以下、劇中劇)を撮影しているキャストたち

というものですが、これを私たちが見る

現実の映画「カメラを止めるな!」として撮影をした人達

は別にいるわけで、つまりゾンビ映画を撮る撮影隊、がゾンビに襲われるという設定のワンカット番組「ONE CUT OF THE DEAD」、という内容を撮った「カメラを止めるな!」という映画、の三重構造なんですよね。

この、非常に複雑な構造を、よく練られたストーリーとして見事に昇華しているところに驚きを隠せませんでした。

複雑になっているのは、監督が監督役として劇中劇に出ることになってしまった、という部分のせいだと思いますが、そこがまたストーリーの良いアクセントになっていると思っています。

イチ押しのシーンは、カメラのレンズに血がつくとこ

途中、カメラのレンズに血が付いて拭き取るシーンがありますが、多分あれはワンカットシーンを撮っている時に起きた本当のトラブルで、意図した演出じゃないと思っています。

あのシーンがとまほーく的にはめっちゃ好きで、劇中劇を撮影しようとしている人の存在(先ほどの図で言う三重構造の真ん中の人たち)があることを示唆する、丁度良い「メタ」みたいなのに一役買ってくれているんですよね。

もちろんその前に、監督がカメラ目線で「絶対にカメラは止めない!」って言った時に何かあるかな?とは思ってはいましたが、レンズの血を拭くシーンで、かなり劇中劇の存在にビビッと来たのです。

スピード感を持って動き回るワンカットシーン、怒涛の情報量が襲い掛かってくる中で、あの血を拭くシーンが、非常に鮮明に私の頭に焼き付いています。

そういった、意図して起こされた演出なのか、ワンカットシーンを撮る上で実際に起きたトラブルなのか観客には分からないようなことが、他にも各所に散りばめられているのです。

そんな本当に些細な違和感や、役者たちの絶妙な「間」というものを見事に三重構造のストーリーに溶け込ませた、 上田慎一郎監督の手腕に脱帽するばかりです。

個性的なキャラクターたち

「カメラを止めるな!」の主要人物は、ほぼ無名キャストです。

低予算だったということもあると思いますが、キャストが無名だったことがプラスに働き、見る側も変な先入観を持たず映画に入り込むことができたのではないでしょうか。

このキャスト達が演じるキャラクターがまた個性的で、彼らが劇中劇の完成を目指して、最終的には1つになる姿に、笑いながらも胸が熱くなるのです。

この先、各キャストが演じたキャラに対する見所や個人的な感想。

日暮隆之(監督 兼 劇中劇の監督役) 演:濱津隆之

始めはうだつの上がらない監督に見えますが、実は作品に対して人一倍熱い思いを抱いていることが分かります。

クレーン機材がトラブルで使えなくなり、劇中劇の最後のシーンをどうしても変更しなくてはいけなくなった時、作品のためにプロデューサーと口論をするのですよね。

それを見た娘が、父のことを少し見直す、というシーンはラストでの父娘の写真のくだりを引き立てる重要な部分となっています。

他にも、「これは俺の作品だ!」と言いながら、屁理屈ばかり言うイケメン俳優を平手打ちしたりと、劇中劇の撮影が止められないことをいいことに今までのうっ憤を晴らしているところも、見ていてニヤっとできるポイントです。

日暮真央(監督の娘) 演:真魚

ひょんなことから父親の撮影現場についてくることになり、最終的には真央の機転で最後のシーンのトラブルまで解決することができました。

撮影に対する思い、そして入り込むと周りが見えなくなってしまうところは、父親、そして母親譲りなのだなぁと思います。

途中バスケット部であることを匂わせるシーンがいくつか出てきて、実際にそれでちょっとした活躍シーンもあるものの、あのシーンが必要だったかどうかは私には分かっていません。

日暮晴美(監督の妻 兼 劇中劇のメイク役) 演:しゅはまはるみ

彼女が縦横無尽に動き回ることで劇中劇のパワフルさが増すことになり、結果的にかなり重要な役割だったと思います。

「私は冷静よ?」のシーンが全く冷静じゃないあたり、日常とのギャップもあり非常にキャラが立っていました。

松本逢花(劇中劇の女優役) 演:秋山ゆずき

業界慣れしたアイドル女優。可愛いです。

「あいたんビーム」がマジで可愛いです。あと、監督をなめ切ったような「よろしくで~す」が腹立って可愛いです。

劇中劇で、撮影トラブルの時間を稼ぐために悲鳴を上げさせられることが多かったですが、悲鳴の演技がとても上手でした。

神谷和明(劇中劇の男優役) 演:長屋和彰

晴美に殴られて、ちょっと従順になるところが可愛いです。

最後のピラミッドの一員として自ら積極的に参加もしていたし、屁理屈ばかり言っていた頭でっかち役者から、最終的には殻を破って更に良い役者になったであろう彼の成長っぷりも見所です。

山ノ内洋(劇中劇の助監督役) 演:市原洋

ゲロ吐かれてグダグダ泣いているシーンは可愛いです。

それ以外では特に見所はないですが、最後のシーンのピラミッドでの彼の顔は誰よりも面白かったので、一度見た方でも、是非見返してみてください。

細井学(劇中劇のカメラマン役) 演:細田学

アル中です。彼のせいで割と撮影にトラブルが起きることになった戦犯。

ゾンビになってから扉を叩くシーンのゾンビ顔がうますぎる以外に特に言うことはありません。

山越俊助(劇中劇の音声役) 演:山崎俊太郎

外に出ていった時の悲鳴の真実が分かった時はめちゃくちゃ笑いました。

泣きながらうんこしてるシーンもホント面白い。一番可哀そうなのは、あの状態でメイクさせられてる人ですね。

私もお腹が弱いので、(軟水しか飲めないってことはないけど)トイレの場所とか凄い気にするの、よく分かります……。泣くな、同士よ。

谷口智和(劇中劇を撮影するカメラマン) 演:山口友和

彼がカメラを落としたせいで、一時的に特殊なアングルでしばらく撮影が続く事態となりましたが、あのシーンは個人的に好きなポイントの1つです。

カメラを落としても上手く映るようにする+演技がアングルに収まるように立ち回る、というのはワンカットシーンでの難所の一つだろうと思い、勝手にワクワクしながら見ていました。

松浦早希(谷口のサポートをするカメラ見習い) 演:岩地紗希奈

走っている時によく転びます。可愛い。仕事熱心なのも〇。

「ゾンビが襲ってくるときに、ぐわーっとズームする」というダサい手法を実践した時、真央が「なにこれ、ダサかっけぇ!!」とカメラマンが変わったことを見抜く、というシーンがあって、そこも好きです。

古沢真一郎(イケメンプロデューサー) 演:大澤真一郎

ゾンビ・チャンネルのラインプロデューサー。

一番大事な最後のシーンを削ろうとしたり、シナリオの変更を安請け合いする、いわゆるいけ好かないタイプです。

とはいえ、現場に差し入れの酒を持ってきたり、出演者のご機嫌をとったりして、彼は彼の立場として、作品ではなく番組のことを守ろうとしただけのことでしょう。

最後のピラミッドの一員として加わっているあたり、やはり番組を預かる身として、プロデューサーとしての矜持はあるらしく安心しました。

笹原芳子(ゾンビ・チャンネル総責任者) 演:竹原芳子(どんぐり)

現場の苦労も知らず、ただ無責任に指示だけする姿は、どの業界にもあるものでしょうか。

とにかく顔がめちゃくちゃ特徴的で、一度見たら忘れられないインパクトがあります。

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というかこの記事書いてたらもう1周見たくなった。見よう。

とまほーく
とまほーく

見た人と是非語り合いたい!見てない人は見てくれ!

コメント

  1. 非合法なニンニクマシマシ より:

    本広克行監督の「サマータイムマシーンブルース」もカメ止めに引けをとらぬ仕掛け満載でかなり面白いので是非!🙌

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